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ケース:ニートちゃんの場合




幼稚園の頃は、スーパー戦隊のレッドになるのが夢だった。
悪の怪人を相手に戦う世界のヒーロー。みんなの注目の的。






……いや、「世界征服を目論む悪の大首領」でもよかった記憶はある。
とにかく私は、「世界を変えるような」人間になりたかったのだ。






小学校に上がってからは、「世界をまたにかける野球選手」が夢になった。
特撮やアニメが空想のものだと知り、夢は現実の対象物になった。

それでも、「世界中を飛び回りたい」という想いは失っていなかったように思う。




そして中学生に上がる頃には、勉強が夢に取って代わった。


空想めいたかつての夢は、いつか玩具箱にしまわれて、
野球ボールも受験の前には私の手元から離れていった。


歳を重ねるにつれ、夢は小さく変わっていく。








……。

色んな夢を通り過ぎて、ニートになった今。

小さくなりすぎた夢は、
「いつか普通の会社に努め、普通に働きたい」
という、至極 現実的な思考に落ち着いてしまっている。








そんなものは割と大勢の人が実行していることなのだから、
昔の自分が聞いたら鼻で笑うに違いない。




「つまんない夢だね」と。


一方で今の自分は、そんな夢すら叶えられないで
周囲も自分も苦しめている現状を、笑うことが出来ずにいる。

ただ、最近は思う。
もしかしたら、これは「最後の機会」なのかもしれない。






勉強にも仕事にも縛られず、
純粋に自分の夢を考えて、夢を追うことができるラストチャンス。
……いやそれはきっと、思い込みなのだろう。

もしかしたら、それは色んなものの犠牲に成り立つ、
勘違いなのかもしれない。……恐らくは、そう。

聞けば世界中の誰もが笑う、滑稽な勘違い。





勘違いでもいい。

だって、昔の自分は、勘違いし続けてたじゃないか。
自分は世界を変える人間になる、ってさ。

思い出そう。
あの頃の夢の在り方を。


 ファサァ……





    ア
     ア
      ア
       ァ
      ァ
     ァ 
   ァ
  ・
   .




わたしは、そう信じることにした。




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